横浜

お正月サントリーホール恒例のウィーン・フォルックスオーパ交響楽団のニューイヤーコンサートが、1月4日に「横浜みなとみらいホール」に会場を移して開催されるというので、久々に横浜に出掛けた。コンサートは午後2時開演だったので、帰省ラッシュの交通渋滞を考えて会場周辺でゆっくりランチしてもいいと思い、クルマは止めて電車でいくことになり早朝に家を出た。お正月は毎朝遅くまで寝ていたので、バス停の寒さは身体に堪えた。でも、夫婦二人して歩いてバス停に向かうのが妙に新鮮に思えた。多分そんなことは滅多になく学生時代を思い出したからだと思う。

普段見慣れたバス停付近も静まり返り、クルマの往来もほとんどなく、バス停で待つ乗客も僕ら夫婦2人だけ、乗り込んだバスの乗客も3人であった。駅に通じる甲府の中心街はクルマも人通りも少なく、あっと言う間に甲府駅についてしまった。バス代も100円と安かった。これでは経営が成り立たない。よくやっていると思う。なくなれば困るのは、きっと僕らのような高齢者だと思った。

そうこうしながら横浜の桜木町には途中の乗り換えも順調で10時過ぎに着いたが、当初から「横浜港みらい」付近でゆっくりすることにしていたので、周遊バス「赤い靴」にも乗らないで、一直線に横浜ランドマークタワーの展望フローに向かった。ランドマークは正月三が日は大変混雑したようであるが、当日は適度に人がいて心地よかった。

天気も良かったので、267メートル69階からの展望は絶景で、眼下に広がる横浜港や東京ベイブリッジ、日産スタジアムや大観覧車、山下公園や昨年夏に孫と遊んだ八景島シーパラダイスまで見えて、真夏の情景が脳裏に蘇った。それに、東京タワーや都庁などの東京の街並みや世界遺産に登録となった富士山まで見えて、今年はあくせくしないで過ごせる一年になるような気がした。眼下を行き交うクルマや歩く人達はおもちゃみたいで、それにしても横浜は流石に大したものである。東京よりもごちゃごちゃしていなくていい。それでいて、東京オリンピックの経済効果も十分期待される地域である。私の住む甲府とは同じ日本でありながら、その違いにはいつも驚かされる。羨ましい限りである。

そんな絶景を楽しんだ後、開演までには時間がたっぷりあるので、5階にある小奇麗なフレンチ風のレストランで、横浜らしいミュージックを聴きながら、窓辺から横浜港を見下ろしてゆっくりランチを楽しんだ。野菜に拘るヘルシーメニューであったが、それなりにドレッシングに工夫がみられて美味しかった。当初はホテルのランチバイキングを考えていたが、それより安上がりで落ち着いて食事ができたのが何よりも嬉しかった。

食後は時間つぶしにランドマークプラザをぶらついて、会場に至る広場では奇妙なミュージックを掛けて大道芸が披露されていたので、それを観て楽しんだ。

ところで、コンサート会場の「横浜みなとみらいホール」は、開設からもう17年になるそうで、改めて時の速さと自分の年齢に苦笑した。

コンサートは馴染みの曲目が多く、オーラ・ルードナーのスタイリッシュで情感を全身で表現する指揮にヨーロッパのダンデイズムを感じた。多分今回も多くの女性ファンを獲得したものと思う。とにかくカッコいいのである。バイオリン片手に指揮する姿はウィーンそのもの素晴らしいに尽きる。

オペラありバレーありの舞台には魅了され満足した。管弦楽のまろやかで豊かな音に加え、男女の想いを情感たっぷりに歌い上げるオペラや、華麗な踊りでその想いを表現するショートバレーには、改めて男女の想いの切ない美しさを感じた。

まさに、私達の想いが天空に届くようなステージであった。そんな世界に導いてくれたミュージシャンとダンサーに心から感謝し敬意を表したい。

芸術家の人生は極めれば明日はない。一流になればなるほど甘えは利かない。ゆえに、そんな想いが伝わる文化芸術には、私達の切なる想いを天空につなげてくれる力があるような気がする。深淵な教えや信念も悪くはないが、それよりも想いに寄り添う芸術家の想い方がずっと生きる上で私達に癒しと安らぎを与えてくれるのではないだろうか。

そんな想いに今年も身近な人と想いを共にしていこうと想う。

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jpjapon について

3匹の犬と優しいけど時々意地悪な元気なおばさんと桃やブドウに囲まれた田舎で暮らしています。音楽と写真が大好きなパソコンフリークです。日々の想いを、聖書の御言葉や御仏の教えを交えて仲間と語り合うのが大好きです。平凡な日常から垣間見る世間の出来事を、自分流に書き綴っていきたいと思います。
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横浜 への1件のフィードバック

  1. まさし のコメント:

    私たちも芸術に触れる時間を増やしたいと思いながらも、毎日あくせく生活しています。夫婦でコンサート観賞とは素敵なお正月でしたね。
    文章を読んでいて私もランドマークタワーからの眺めを見たような気になり、またみんなで八景島に行きたいと思いました。

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