レコードプレーヤーのベルトを交換してから、片っ端からレコードを聴いているが、モーツアルトの交響曲はバックグラウンドに聞いていても、弦の調べが心地良い。
バッハやモーツアルトの時代は、平均律でなく純正律でメロディーが奏でられているから、音律に濁りがなく心や精神が落ち着く。耳障りしないことから、改めてカラヤンやベームの音作りには感動した。
しかし、貧乏人のくせに、よくこれだけレコードを買い求めたものだと自分でも感心する。これから毎日かけて聴いても、恐らく死ぬまでに全部は聞けないと思う。そんなことから、時間の大切さを痛感する。時間を無駄にしてはならないと思う。
ところで、コロナによる自粛から自衛と社会が新たなフェーズに移る一方、首都圏は再び感染が拡大し始め警戒レベル最高の状況にある。このところの梅雨時の天候が災いしているのか定かでないが、特に高齢者は感染すると重症化し後遺症が残ると言うから注意を要する。
その一方、政府は観光産業や地域経済の復興を目指して、旅行需要喚起策「Go toトラベル キャンペーン」を打ち出しているが、空前絶後の総額1.35兆円の予算と言うから驚きである。感染を恐れながら旅しても楽しくないが、果たしてこの政策は誰が得するのだろうか。また例によって、事務費の中抜きで、電通やパソナが儲かるのだろうか?
いずれにせよ、調子に乗って旅に出掛け、それが原因で最後の旅立ちになってしまったら、笑うにも笑えない。コロナによって社会のフェーズが変わったのだから、それなりの政策を企画して、庶民がゆっくりゆったりした生活ができる社会政策を提案したらいいと思うが、経済一辺倒の社会政策は変わらない。寂しい限りである。
私的には、無理して旅するより、こんなゆとりが社会全体にほしいと思う。