これまで取り組んできたペンキ塗りで多くを学んだ。まず第一に、塗る前の下仕事の大切さで、これを怠ると塗ったペンキで錆が浮き出て、太陽の光や熱や雨風で簡単に剥がれてしまうらしい。
そこで、私は時間がたっぷりあるので、入念に錆を落とし雨漏れしそうなところはシール材で埋め、箒でよく掃いて綺麗にしてから塗ったが、それでも錆が落とし切れない箇所がたくさんあった。とにかく、昭和のあばら家で、力を入れて金属刷毛やヤスリで擦ると穴があいてしまう所もあった。物干しの土台があったところは鍵穴が数ヶ所開いて、解体撤去後はかなり雨漏りしていたと思う。
平屋とは言っても屋根に上がると、それなりに高所で平らではないので、バランスを取るのに苦労した。よく高齢者が転んで大腿骨を骨折して寝た切りになる話しを聞くが、そんなことになったら元も子もない。
そんな臆病神に取り憑かれ、最初は慎重に座って塗っていたが、これが結構キツイ作業で、身体のあちこちが直ぐに痛くなり、合間に何度休憩したか分からない。
さらに、屋根の端っこになると、手が届かないので塗り損じが生じてイライラついた。そこで、長目の棒の先に刷毛をくくりつけ塗ってみたところ、予想が見事に的中して超楽チン、座らずに立って塗れ、塗料も手に持たず平行がとれる場所に置けたので、身体のバランスも取れて、作業能率が格段によくなった。
まあ、何でもやはり経験、実践行動あるのみ、物事は現場主義に徹するのが一番であることを改めて痛感した。
そんな訳で、昨日でペンキ塗りは全て完了、いよいよ今日からは自作小屋の造作に取り組むが、重くて大きい資材の運搬が問題で、ホームセンターが貸し出すトラックで運べるものなのか、慎重に検討しようと思う。
まあ、趣味ですることだから、どうにでもなるのだが、取り敢えず、資材の運搬搬入と土台の水平水準を如何にするかが課題である。
今日はどうやら雨模様なので、外での作業は無理なので、もう一度設計を見直し、部材の調達方法や見積りを再検討しようと思う。
しかし、この高齢になって、解体業者やペンキ屋や大工の真似事をするとは思わなかった。すべてコロナ禍の自粛巣籠もりによるものだが、普段住まう居住空間の大切さを知る切っ掛けになったことは確かで、改めて地方の小都市の魅力を再認識した次第である。