富士山

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最近、年甲斐もなく映画にハマってしまって、先週の土曜日もキアノ・リーブスの新作「ジョン・ウィック」を観に、地元の東宝シネマに出掛け、帰宅したのは12時過ぎの午前様になってしまった。

映画は、マフィアのバカ息子に、病気で亡くなった妻からのプレゼントである愛犬を殺され復讐に燃えるスナイパーが、一人で闇組織に立ち向かう凄まじいガンアクションものだったので、やたらに気持ちが高まって、数時間後に富士登山を控えているのに、寝たか寝ないうちに朝になってしまった。そんな流れで、先週の日曜日は「富士山ぐるり1周の旅」の現地観察会に参加した次第である。

ところで、山登りは本当に久々だったので、押し入れの奥に仕舞いこんだリックサックを取り出し雨傘やツェルトなども入れてみたが、妙に嵩張ってしっくりこない。それで、持ち物を整理して極力軽装で行くことにして、軽い肩掛けバッグに持ち物を入れ替え、眠気覚ましに熱いシャワーを浴び、身支度も早々にビデオカメラを首に吊るしてみたが、これまた、いつになく重く感じる。

そうこうしていると時間もなくなり、用事で出掛ける妻のクルマに飛び乗って甲府駅に向かうと、妙にカメラがウザク感じる。仕方なく、後部座席にカメラを置き、極力バッグの中身も減らして、iPhoneを片手にクルマを降りた。

駅の待合には、既に大半の人が事務局のチェックを受けバスに乗り込んでいたが、バスに飛び乗った勢いで最後部に座ったところ、足元が他の席より広くゆったりしていて、寝不足気味の私にとっては好都合であった。

最初の目的地である山中湖まで「ゆっくり寝ていけばいいや」と思って寝てみたが、どうも前日の寝不足が祟ったのか、クルマ酔いしたようで気分が優れない。つくづく年甲斐もなくハッスルし過ぎるものではないと自戒した次第である。

山中湖ではトイレ休憩を兼ね、大月駅発のもう1台のバスの皆さんと合流して、初秋の冷気に包まれる湖畔を散策しながら、講師の先生方から富士五湖の概要について説明を受けたが、晴れ渡った青空の下で、次第に気分も爽快になって、理由も根拠もないが、何となく思い出に残る秋の一日になりそうな予感がした。

そんな訳で、再びバスに乗り、静岡県側の富士宮口から「新五合目の宝永噴火口」の探索に向かったが、2合目3合目と何処となく不穏な雲の動きが気になる中、現地に着くと、日曜日にも拘らず人出も少なく吹いていた風も収まって、時折山頂も見えるほどに晴れ渡り、熱くも寒くもない絶好の山日和であった。

そして、そんな天気に浮かれ歩き出した訳だが、概ね6合目付近で、講師の先生方を囲み、晴れ渡る山頂に流れゆく白い雲を見ながら、お弁当を広げ、思い思いに会話を楽しんだ。しかし、下山する頃には、辺り一面がガスに包まれ、下り道ですれ違う人達が気の毒に思えた。

ところで、講師の先生方は当日の天気に満足げであったが、普段全く山に縁のない私は、時折足元から吹き上げてくる冷たい雲状の冷気にホッカイロが欲しくなる始末で、2,500mを超える山岳では、高山植物も育たない不毛の地であることが分った。

また、ツアーは、当然にしてご夫婦や仲間同士の参加が多い中、私のような一人参加もいる訳で、最初は少々寂しかったが、幸運にも直ぐに話し相手が見つかり、楽しい秋の一日を過ごすことができた。

大きな溶岩の岩陰に、下界から突き上げる雲状の冷たい風を避けながら、お弁当を広げての会話に、見上げるとそびえ立つ霊峰富士の山小屋が垣間見え、いつしか今日の様な穏やかな日に、あの山頂に立ってみたいと思った。

そんな想いを胸に、300年前に噴火し江戸の街に火山灰を降らせたと言う「宝永噴火口」を後に、帰りは「白糸の滝や富岳風穴」を見学する盛りだくさんの山岳ツアーであった。講師の先生方や事務局の方々に、またの機会を約束して別れたが、暮れ泥む甲府の街がなぜか普段と違って見え不思議な感じがした。

家に帰えると、いつものように3匹のワンちゃん達が、ワンパターンに吠えまくり総勢で出迎えてくれた。幸せである。熱いシャワーを浴び食卓につくと、火照った身体に冷たい冷麦が、何時になく美味しく感じた。きっと、前日から、何やらせせこましく、日々日常を離れて自由に好き勝手な週末を送ったからだと思う。

ところで、今回のバスツアーは、人それぞれに、いろんな想いを持って参加されたと思うが、そんな奇跡とも思える出会いの中に、見知らぬ者同士が富士の絶景を背景に、互いに想いを語り合う貴重な経験をしたものと思われ、そう簡単にこんな経験は出来るものではない。

講師である山梨県立大学特任教授の輿水達司先生、また、県文化財保護指導員の小村寿夫先生を始め、この山岳ツアーを企画なさった「大学コンソーシアムやまなし」の事務局の皆さんには、心から感謝しお礼申し上げる次第である。

これからは、この山岳ツアーで得られた知識や横の絆を活かして、郷土「山梨の魅力」を掘り起こし、微力ながらも地域社会の飛躍と発展に貢献していきたいと思う次第である。

なお、動画は次のとおりである。

動画は こちらから

 

jpjapon について

3匹の犬と優しいけど時々意地悪な元気なおばさんと桃やブドウに囲まれた田舎で暮らしています。音楽と写真が大好きなパソコンフリークです。日々の想いを、聖書の御言葉や御仏の教えを交えて仲間と語り合うのが大好きです。平凡な日常から垣間見る世間の出来事を、自分流に書き綴っていきたいと思います。
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