寅さん

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いよいよ年の瀬を迎え、大掃除や正月の準備に追われながら、ふとテレビに目をやると、小泉内閣の財務大臣であった「塩川正十郎(塩爺)」の在りし日の映像が放映されていたが、政治を本音で勝負するその言葉には共感できる。

まあ、物事には裏と表、本音と建前は付きものであるが、そこを互いに察し合うのが大人の社会であって、今日のように、発言の言葉尻をとらえて問題視するマスコミや社会の風潮には、違和感を覚える。

ご案内のように、世阿弥の「風姿花伝」には、観客に感動を与える力を「花」として表現し、「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」と書かれているように、全てを包み隠さず晒け出しては元も子もない。

何事も含みがあるのが大人の社会であって、本音と建前を互いに読み取り察し合う力がないと、いかなる関係性も良好に保つことができない。

平たく言えば、一昔前の社交術かもしれないが、制度や決まりが優先する今日の社会にも立派に通用するものと思う。

まあ、そんな視点で捉えると、山田洋次原作監督の「フーテンの寅さん」の「それを言っちゃお終いさ…」なんてセリフが思い起こされる訳で、国会で「パンツを盗んだ大臣」を問い詰める議員や、そんなことをいちいち報道するマスメディアにも、何処か大人の感覚が抜け落ちているような気がする。

私的には、もっと重要な事があるだろうと怒りを覚えるわけで、そんな下らないことはどうでもよく、もっと社会が大人になって「小異を捨てて大同につく」知恵もなくては、国家100年の大計は語れない。

そんな訳で、今日は朝から家の大掃除をする予定であったが、途中で嫌になり、何故か見事に妻と本音が一致し、久々に「みたまの湯」に命の洗濯に出掛けてしまい、大掃除は後回しになってしまった。

「みたまの湯」では、予想に反してガラ空きで、湯船には数人しか入っていない。それで、甲府盆地を見下ろす露天風呂につかり、神奈川から来た若者を相手に、ついしゃべりまくってしまったが、快く耳を傾けてくれた若者との出会も、思い出に残る楽しい語いになった。

すべてに感謝したいと思う次第である。

jpjapon について

3匹の犬と優しいけど時々意地悪な元気なおばさんと桃やブドウに囲まれた田舎で暮らしています。音楽と写真が大好きなパソコンフリークです。日々の想いを、聖書の御言葉や御仏の教えを交えて仲間と語り合うのが大好きです。平凡な日常から垣間見る世間の出来事を、自分流に書き綴っていきたいと思います。
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