エロス

元都知事で作家の猪瀬直樹氏が、今年5月に他界した演出家 蜷川幸雄の姪としても知られる、女優で画家、映像作家の蜷川有紀(56)さんと交際中で、再婚の可能性もあることが明らかになった。

猪瀬氏は長野県飯山市の生まれで現在69歳、長年連れ添った妻のゆり子さんとは、東京都知事在任中の2013年7月に死別している。

現在ニ人は、テニスや食事を共にする週末婚の状況にあるらしく、年齢的には熟年不倫と見られてもおかしくない年齢だか、ニ人とも独り身なので、喜ばしい限りである。

まあ、豊洲やオリンピックの会場の選定でごたついている都知事に在籍しているより、よっぽど豊かな人生を手にして幸せな晩節を過ごしている訳で、上気した猪瀬さんの顔は人間的で実に微笑ましい。

まあ、見方を変えれば、桜井パパも仮に都知事になっていれば、このゴタゴタに巻き込まれて単なる調整役として働くだけの話しであって、そんな日々日常は過ぎ去ってみれば、失われた空白な晩節に過ぎない訳で、時間は戻らない。実に聡明な人だと思う。

まあ、その辺は人それぞれだが、人間は公私共に自分の想いも大切に生きなければ、何のために生まれてきたのかわからない訳で、後悔の中に死んでいくような気がする。

そんな訳で、世間の荒波を乗り越え紆余曲折の末、晩節を迎えた2人が楽しく過ごせる伴侶を得たことに、心からエールを贈りたいと思う。

ところで、いろんなことを並べ立てても、私達は地上に生きる生き物として、自分の子や孫に限らず、次世代に命を引き継ぐことが、生きる原動力になっていると思う。つまり、エロスと言うと聞こえが悪いが、様々な思いの中に性的な衝動エロスの力が働いているように思う訳で、その一方、対極的なタナトス(死)には、ある種の衝動を覚えることも事実である。

ご案内のように、タナトスとは、ギリシャ神話における死を神格化した神で、臨終を迎えんとする人の魂を奪い去っていく死神である。「生の本能」エロスは生きるエネルギーであり、変化し流転していくことを表しており、タナトスは「死の本能」として、無機物不変性に帰着していく本能を意味しているような気がする。

その意味から、常に変化して止まぬ世界に、エロスを意識し普遍化していくことに憧れを抱く私たちは、生まれた時からタナトスを意識しながら、エロスの世界に命を燃やし尽くすことに憧れを抱いているような気がするのである。

そんな思いに、猪瀬さんの週末婚には、尽きせぬ男と女のエロスが漂っていて実に興味深い。

巷では、知的レベルが高く、好奇心や探究心に富むインテリは、生涯恋心を忘れないと言われるが、善悪真偽の狭間を先入観や固定観念を捨て去って、真剣に生きることが、本当の意味でエロスを生きると言うことだと思うが、この辺の解釈は現実的には文化芸術で昇華するのが、私的には無難のように思う次第である。

jpjapon について

3匹の犬と優しいけど時々意地悪な元気なおばさんと桃やブドウに囲まれた田舎で暮らしています。音楽と写真が大好きなパソコンフリークです。日々の想いを、聖書の御言葉や御仏の教えを交えて仲間と語り合うのが大好きです。平凡な日常から垣間見る世間の出来事を、自分流に書き綴っていきたいと思います。
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