新型コロナウイルスの感染拡大を理由に東京オリンピックやパラリンピックは、「公衆衛生による緊急事態」が原因で大会が中止となった場合、大会組織委員会が定める観戦チケットの購入・利用規約の不可抗力に該当し、払戻しをしないらしい。
運良くチケットを手に入れた人にとって、これこそ糠喜び、一喜一憂の末に大損することになる。「当たったらどうしよう」とハズレを想定してやたら応募した私としては、幸か不幸か災い転じて福となす様相に、素直に喜べない複雑な感覚を覚える。
まあ、ここはじっと我慢の子、自粛するのが一番で、一喜一憂、糠喜びに明け暮れる相場仕立ての世間から離れ、生き延びることに専念するのが得策である。
しかし、それにしても巨額な資金を投入して造り上げた施設も使わずじまい。さらに感染が拡大すれば、ゾンビ映画のワンシーンになってしまう訳で、虚栄と虚構と快楽と欲得に翻弄される日本の政界や財界や教育界のエリートらの顔が思い浮かぶ。
いずれにせよ、先人が創り上げた日本の生活様式や文化はグローバル化の流れにことごとく破壊され、今の京都や東京の名所旧跡は中国人相手のテーマパークに過ぎない。
まあ、もともと江戸の町人文化の本質は、かかあと子供の食いぶちを残せば、宵越しの金を持たぬ職人気質にある訳で、大店も稼いだ後は遊びに興じ庶民に大盤振る舞いするところに江戸の粋がある。
そんな想いに、今回のコロナ旋風は、グローバル化によって失われた日本の文化と心意気を取り戻すチャンスになればいいが、9年前の震災の教訓も活かせぬのが現実である。
しかし、このままでいい訳ない。過去は忘れ、日本の心が心意気が世界基準になるように自分なりに頑張ろうと思う次第である。