夕暮れ時の外の空気は冷たくて透き通っていて気持ちがいい。頭のモヤモヤが直ぐに消え去り心が落ち着く。
3年に亘るコロナ自粛から正真正銘の農夫になってしまい、最近は部屋から畑に生活の拠点が移ってしまった。
野鳥も私を見慣れた風景の一部と見てくれているのか、ヤマガラなどは近くによってくる。
ところで、ご案内のように、生物の能力は遺伝によるところが大きい。身体能力や頭の良さは残酷だが、殆ど遺伝で決まる。とても、トンビが鷹を生む訳にはいかない。
しかし、生活環境も大切で、趣味嗜好、意識の有り様などは親のものを引き継ぐもので、精神活動の多くは、育った生活環境によるところが大きい。
聖書には主は父母から私達を別たんがために降臨するとあるが、正に本当の自分に目覚めるには父母の意識から逃れる必要がある。つまり、平たく言えば離れて暮らすことである。そして、生活を一から見直すといいと思う。そうすれば、かなり親と同じことをしている自分に気づく筈である。別に親と同じが悪い訳ではないが、本来の自分を打ち消す要素になっていることは否めない。それが顕著に現れるのは生活意識の有り様であって、ある意味において、それは呪縛でもある。
しかし、現実の世界は、空と大地が広がっているだけの話しで、思考パターンや生活意識の転換は幾らでもできる。
そんな訳で、私的にはコロナ自粛が全く別の世界の自分に導いてくれた感じがする。
私は大自然の一部、それを小さなヤマガラが認めてくれたことが嬉しい。畑の私は彼らからして自然の一部なのである。改めて今あることに感謝したい。