NHKが作成した昭和61年(38年前)の国体のビデオが保管箱から出てきたので暇潰しに拝見したが、女性の服装や髪型から当時の生活ぶりが伺え面白かった。ご推察の通り今の生活とは雲泥の差で、どことなく以前の中国や今の北朝鮮のような雰囲気が漂う。
それに引き換え、戦乱や繁栄を繰り返してきた世界遺産のビデオが醸し出す重みはさすがである。やはり日本は辺境の地にあって、未だに独自の文化文明が残っていることが伺える。
そんな日本も、今は敗戦から見事にアメリカナイズされてしまい、もはや元の国体には戻れないと思う。まあ、天皇陛下を拝する民主社会主義国家に様変わりした訳で、昨今のお粗末な働き方改革で、誰か得をするのか、庶民労働者の生活が改善するとは思えない。
非正規労働者が増え少子高齢化に歯止めがかからぬことから、お国は年金制度改革を諦めたのか、新NISAを提案して米国投資に肩代わりしてもらうつもりなのか、ますます「自己選択、自己決定、自己責任」が問われる時代を迎えるが、そんな聞えのいい言葉に責任逃れにする高級官僚の立ち振舞いは流石に抜け目なく天晴れである。
いずれにせよ、集団思考から自主自立自尊の社会へと徐々に進む訳だが、意外と団塊の世代が後期高齢者になる辺りから、ガラリと社会が変わっていくような気がする。
まあ、お国も地域も家族も頼れないとなるとやはり頼れるものはお金かも知れないが、それも勤労意欲を失った非正規の対価となると、これまた考えものである。
そんな想いに、改めて今あることに感謝したい。