火鉢は大きいので、小さな卓上七輪を炬燵の脇に置き炭火を入れ、冷たくなった手を炙ってみると何とも味わいのある温もりにやたら嬉しくなった。さらに寝込ぶとちょうど手先が届くので、これまた大満足、柔な温かさに気持ちも温かくなった。

時に温風ヒーターは直ぐに暖かくなるが、二酸化炭素の排出も凄まじいらしく、小まめな換気が必要なことはご案内の通りだが、かと言ってエアコンは電気代が半端でない。
必然的に隠居の身にはコタツに暖をとることになるが、掘り炬燵に寝転び、七輪に手を翳すと肌の温もりにも似た優しい温もりには癒しと安らぎがある。
まあ、若い人たちはキャンプで体験する炭火だが、昔は煮炊きに釜戸や練炭を使っていた訳で、これが日常となると、これまた大変である。
まあ、世の中全てがTPO、時と場所と場合が合えば最適解が得られる。
そんな想いに、春を迎えし冬の土用は、昭和を懐古しながら慎みて過ごそうと思う次第である。改めてすべてに感謝したい。