世相に想う

IMG_0309_20131227_103910安倍首相の靖国神社参拝が内外に大きな波紋を呼んでいるが、中国の覇権主義の台頭や北朝鮮の恐怖独裁政権の迷走に加え、韓国の朴政権の反日政策などが逆巻く中、アメリカが言うように極東アジアの安定に物議を醸す結果を招いたことは否めない。

まあ、所詮人間は欲望や煩悩に生きる存在なので、どう生きてもお互い様としか言いようがないが、それは国の外交にも言えることで、武力衝突や戦争などは時の政権の利権争いであって、仕掛けた方も仕掛けられて報復した方も同じ穴のムジナである。戦犯の合祀が問題なら、極東軍事裁判や原爆投下にも問題がないとは言い切れないからである。そんな人間の仕業に、敢えて善悪を問えば、共に愚かでばかげたことをしてしまったとしか言いようがない。まあ、取り返しのつかない夫婦喧嘩のようなもので、そんな時はしばし席を外して難局をやり過ごすに限るように思う。

しかし、靖国を参拝したのだから仕方ない訳で、安倍首相も気が済んだ処で、ほとぼりが冷めるまでしばらく静かにして、いろいろ言われても黙っていることである。日本のマスコミも民意がどうこう言う割には国益には疎いようで、見て見ぬ振りして外圧に対抗しないことである。要するに世の中には相手があってどうにもならないこともあり、そんな時は日和見と言われても、議論を尽くさずに、その場をうまくやり越す位の知恵がなくては、本来のジャーナルとしての役割は務まらない。何でも詳(つまび)らかにすることがいい訳でもなく、世阿弥の「秘すれば花…」と言う言葉にあるように、敢えて言わないことも、時には不可欠な知恵であって、やさしい嘘もつけない野暮な人間ではどうしようもない。

ところで、話は変わるが、ご案内のように、漢字は文字そのものに意味がある象形文字で、アルファベットのような単純に音だけを表す表音文字とは異なる。お習字などで使われる落款(篆刻)なども、アルファベットにはない独特の意味合いがある。

そんな象形文字の語源を辿り「民(たみ)」と言う漢字を調べてみると、民とは「奴隷の目を錐で刺して潰す」という意味を持つ象形文字で、金文の字形では眼睛(ひとみ)を錐で突き刺し視力を失わせることとある。視力を失った人を「民(たみ)」といい、神への奉仕者として、共に視力を失った神への奉仕者を意味する「臣」と合わせて、臣民(君主に従属する者としての人民)と言う。つまり、民とは元々神に仕える存在であって、後に「たみ、ひと」の意味に用いられるようになったようである。

そうだとすれば、「民意を問う」なんて言っても意味がないように思える。盲目の馬鹿者に国の方向性を問うても「その場の空気」で「それやちまえ」と突き進んでいくのが堕ちだからである。今日の国会審議や政治家の言動をみてもそんな感じも見受けられないこともなく、法律なども素人には難解で、無理と分からないように書かれていて、国民には何にも分からないようになっているように思える。憲法なども、基本的人権が云々などと言っているが、それは多くの権利が保障されていないことを裏付るものであって、そんなことより「日本人は嘘をつかない」と書いた方がいいように思う。

まあ、所詮、民主主義とはそんな幼稚な統治機構や制度を言うのであって、それに代わる卓越した知見と能力と知恵を持つリーダーが見当たらないから仕方なしに採用している制度であって、そんな制度を盲信して目くじらを立てて議論しても仕方ないように想える。

つまり、色気と食気の為せる世相に、私達の想いの本質が届く訳もなく、そんな想いは、一時の打ち解けた語らいや文化芸術やスポーツのワンシーンに触れた時に、その感動の中に見出されるもので、大自然の営みを恐れ謙虚になることを忘れた人間には覚束ないものなのである。

なぜなら、人間の欲望には切がないからで、今日電気もガスも水道も使い放題、何処に行くにもクルマで、極寒の冬山に道楽を極め想いを貫こうが楽しもうが、仕事や株で金儲けしようが、酒や女やギャンブルに現を抜かそうが、その想いを深く顧みれば、想いの本質には程遠く、人間の性が為せる業である。そんな想いに駆られると、罪深き己の人生をいち早くお終いにしたくなるのであるが、それも出来ない生き様に苦笑する日常が私達の現実なのである。まあ、クリスチャンであるやなせたかしさんのアンパンマンではないが、自己犠牲の上に立つ「愛と正義と勇気」の一欠片でも心の片隅に残していられたらと想うのである。

そんな訳で、今日も想いは果てしなく尽きることがない。せめて、年末は世相を忘れて文化芸術に遊び、想いの本質に触れてみようと想う次第である。

jpjapon について

3匹の犬と優しいけど時々意地悪な元気なおばさんと桃やブドウに囲まれた田舎で暮らしています。音楽と写真が大好きなパソコンフリークです。日々の想いを、聖書の御言葉や御仏の教えを交えて仲間と語り合うのが大好きです。平凡な日常から垣間見る世間の出来事を、自分流に書き綴っていきたいと思います。
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