歌舞伎

中村吉右衛門が率いる播磨屋一門の歌舞伎への想いが凝縮された「秀山祭 9月大歌舞伎」のTicketが運良く手に入り先日拝見したが、西洋音楽を思わせる太鼓や篠笛やシンバルによる音響や、舞台セットの配置など、果敢に新たな舞台演出に挑戦する圧巻の内容で、度肝を抜かれた。

特に、第2幕の「俊寛」の都へ帰れぬ想いを嘆くシーンでは「人の嘆きとはこう言うものか」と、嘆きの概念が変わる程の感銘を受けた。

さらに、第3幕の坂東玉三郎の羽衣を纏い妖艶に舞う天女の舞には、昨今の肌を大きく露出して肉体そのものの美を見せつける女性の美しさとは一線を画するもので、女性の美の本質を垣間見た気がした。

まあ、女性は元より秘する存在であり、全てを曝け出しては華になれない。ミステリアスで多面的で、優しく優雅であると同時に嫉妬深く残忍で執念深い。美しさの裏には忍耐と執念がある訳で、その美と生命への執着は男性の比ではないと思う。

太鼓と篠笛とお琴やシンバルなどの波動をバックに舞う天女の舞には、舞台芸術と言うより、一種の神事のような感じがして、私的には何か悪いモノが身体から抜け出ていったような感覚を覚えた。

会場には足元も悪かったのに和服のご婦人も結構見受けられ、外国からの観光客も多く、彼らがこの舞台芸術をどのような感覚で捉えたか分からないが、多分強烈な印象を受けたと思う。

流石に、日本の歌舞伎を担う二大スター 中村吉右衛門と坂東玉三郎である。今回ですっかりファンになった。

終演は9時頃になったが、地下鉄で東京駅経由で新宿に戻り帰宅したが、買い求めたお弁当も手づかずだったので、とんでもない時間だったが、食して休んだ次第である。

本公演をご案内していただいたワンちゃんの主治医である院長先生には、心から感謝する次第である。

jpjapon について

3匹の犬と優しいけど時々意地悪な元気なおばさんと桃やブドウに囲まれた田舎で暮らしています。音楽と写真が大好きなパソコンフリークです。日々の想いを、聖書の御言葉や御仏の教えを交えて仲間と語り合うのが大好きです。平凡な日常から垣間見る世間の出来事を、自分流に書き綴っていきたいと思います。
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