差別や偏見をなくし、自由、平等、民主主義、法の秩序による世界統一国家を目指すグローバリストの理想は、表向きには非の打ち様がない。しかし、現実にはお互いに国や人種や民族や文化の差異を認め合い理解することは難しく、結局は利権やお金によって物事が図られ、世界の権威や秩序が形づくられ、富の偏在や貧富の格差が生じていることは、ご案内の通りである。
つまり、誰もが本音と建前を使い回し、嘘偽りや偽善や自己矛盾に満ちたとてつもない格差社会になってしまったわけで、それは今日のアメリカや中国の庶民と富裕層の生活ぶりを見れば一目瞭然である。まるで、私達はグローバリストに扇動されて、地域の伝統や文化、風俗や習慣を投げ出して、古代ローマ帝国を模した世界統一国家の樹立を目指しているかのようである。
そんな世相に、時の権威や政権に取り入って上手に蓄財するにしても、それは何処まで行ってもカエサルの権威に繋がるだけのことで、私達の本質が憩い安らげるものではないことは、イエス・キリストの言葉を待つまでもないと思われる。
つまり、時の権利や権威にすがり富を得ることで幾ら己を証ししても、死す時は畳一畳あれば足りる訳で、全てが無と化し価値も意味も為さなくなるものに生涯を掛けるのもバカバカしい。
そんな中、今年はコロナ禍で生命の尊さや人との交わりの尊さを思い知った訳で、人類共通の認識は、利権やお金ではなく、正に生命と時間ではないだろうか。
つまり、頭や理屈でこねくり回した思想や理念ではなく、単純に生命や時間こそが、公平で平等な認識であり、そんな誰にとっても掛け替えのない尊い時間を一瞬にして奪い取る戦争や殺人、また災害や自死に至る行為であっても、私達が恐れ忌むべきものとして、回避するべきものではないだろうか。
ところで、世間は相変わらず様々な情報が錯綜して、何が何だかわからない。アメリカの大統領選挙も決まったような決まらないような、軍隊とCIAが打ち合いをするなど、予断を許さない状況のようである。
日本のコロナ情報も全くあてにならず、情報開示はさて置いて、全てが自己選択、自己決定、自己責任において物事が完結する時代である事は間違いない。
そんなへんてこな時代だが、権威筋はさておき、私の周りには親切で誠実な人ばかり、お互いに持ち得るものを持ち寄って、助け合って生きている。感謝である。感謝しかない。
日々日常、清貧にして生活に必要なものは全て揃っている。これからの時代、お金は物よりその場を楽しく生き抜くものに使うべきだと思う。今の時代こそ、箱物よりヒューマニックな行為や活動に投資すべき時代である。そんな想いに、改めてすべてに感謝したいと思う。
