差別と偏見を廃し、自由と民主主義、法による支配を前提とする私たちの社会システムは、門地門閥、学歴も不問と、いいことづくめだが、それは大きな間違いである。なぜなら、能力主義や自己責任と言った新たな差別や偏見から身を守らなくてはならなくなったからで、弱肉強食、適者生存の真っ只中に、子供も老人も、男も女も、一緒くたに放り込まれた訳で、人生100年などとほだされて無理して身体でも壊したら、直ぐに介護破産、老後破産に追い込まれてしまうのが実態である。
要するに、老人は見捨てられる存在になった訳で、家族に見捨てられ介護施設が終の住処となっているのが現実である。
まあ、介護然り教育然り、そもそも教育や福祉は市場経済には不向きな事業であって、利潤を追求する企業会計システムで運営されているところに問題がある。もちろん非営利団体として運営しているのであろうが、現実にはこれらの産業は市場に開放されているわけで、非営利に経営していたらすぐ潰れてしまう。要するに、全てが弱肉強食、適者生存の社会なのである。
しかし、そんな社会であっても、寡欲に徹し世相に惑わされず、足るを持ってすれば、それなりに生きていけるわけで、そんな思いを共にする仲間と助け合って暮らしていければいいが、これもまた難しい。
それにしても、世界的なコロナパンデミックから富裕層の総資産が2倍になったらしく、各国が救済目的で財政支援した資金が、実体経済に回らず、株式や証券等の金融資産の底上げに回ってしまったようで、何ともはや、万策尽きた感がある。
経費削減を明言している北京五輪運営予算も20億ドル強と発表(日本円で2140億円) と言いつつも、実際は
・会場の総建設費は2040億円、インフラ整備に約4兆4000億円
・開催誘致や選手育成などの準備に3100億円
と破格な代物で、後は野となれ山となれ、庶民の生活など我知らずの独裁政権の蛮行には、空いた口が塞がらない。
まあ、中国経済が破綻すれば、世界の金融は完全にデフォルトするが、そこは独裁政権の強みで、人民の尊い命を失っても経済破綻だけは回避するものと思われる。
要するに、コロナでやられたのは、世界的に庶民であって、富裕層はぬくぬくと資産をため込んだことになる。
しかしながら、身の丈を知らぬ蛮行にはそれなりの報いがある訳で、楽をして贅沢三昧をすれば自ずから苦を背負い込むことになり、人間には人間としての定められた宿命があることを知るべきである。
そんな想いに、とにかく無理をせず、嫌なことは差し控え、心豊かに健康第一をモットーに暮らしていけたらと思う。
神仏の加護と慈愛に感謝したい。