写真 1信州乗鞍に旅した。心通う打ち解け合う会話が弾む楽しい旅であった。旅とはいつも想うのだが、出かける前も、その旅の最中もさることながら、家路に向かう気持ちが何とも言えない。その旅が楽しければ楽しいほど、打ち解け合って心が満たされれば満たされるほど、家路に向かう時が近づくと、何とも言えない気持ちになるのである。

簡単に言えば、帰る家の存在であるが、諸国を旅して歩く股旅三度傘の人生に何処か憧れる一方で、帰る家の存在に改めて幸せを感じるのである。家には3匹のワンちゃんと妻がいるだけの話であるが、見慣れた我が家も旅から帰ると違って見えるから不思議である。

きっと今回旅を共にした仲間も同じ気持ちではないかと思う。他愛のない取り留めのない会話の中に、改めて自分を見出すこともあって、想いを共にした楽しい世界から、自分の世界に戻っていく処が堪らなくクールである。

大げさに言えば、想いの世界に遊び現実の世界に戻っていくのであるが、そう考えると、世界観が変わるような旅をしなくては意味がない。ただ美味しいね、綺麗ねではつまらない。行き先などは何処でもいい。その旅が心の琴線に触れる旅でなくては意味がないように思う。

現実は憂いと悲しみ満ちている。それは、今回の国会審議やTPP交渉ではないが、人は元々分かり合える存在ではないからである。航空識別圏や海域なども、一つ間違えば戦争になり兼ねない。それは、国どうしの話に留まらない。家を一歩出れば、そこは渡世の世界であって、何ら変わるものではない。もっと言えば、家庭の中でさえ、己の世界と家族の世界は別ものなのである。

一つ屋根の下で、航空識別圏を主張しあっては敵わないが、人間とはそんな程度のものであって、生きるとは、現実とは、食と色の世界に生きる凡夫とは、限りなく儚く浅はかであって、ゆえに世界は、憂いと悲しみに満ちているのである。

そんな訳で、今回の旅は天候に恵まれ、甲府や信州路は正に秋晴れ快晴の中を快適にクルマを飛ばし、乗鞍白骨は小雪舞う露天風呂に身も心も疲れも沈め、安曇野ジャンセン美術館では落ち葉薫る世界に浸り、三日月を眺めながら家路に向かう車中では天空に想いを馳せる旅となり、誰かがふと口にした「幾日も旅しているような旅」であった。

想いは果てしなく、尽きることはない。愛犬クーを膝にして、これからも頑張ろうと思った。

jpjapon について

3匹の犬と優しいけど時々意地悪な元気なおばさんと桃やブドウに囲まれた田舎で暮らしています。音楽と写真が大好きなパソコンフリークです。日々の想いを、聖書の御言葉や御仏の教えを交えて仲間と語り合うのが大好きです。平凡な日常から垣間見る世間の出来事を、自分流に書き綴っていきたいと思います。
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