格差

00270702-073351.jpg先月の30日に債務不履行に陥ったギリシャでは銀行業務が一部停止され、5日の国民投票の結果によっては最悪のシナリオとしてユーロ圏離脱も想定される。

そもそも、ギリシャの赤字は旧政権下ではGDPの5%とされてきたが、実際は13.6%にも達していたことが新政権下で発覚、同国の財政状況の悪化が表面化した。その後同国は3か年に亘る財政健全化計画を発表したが、余りに楽観的な経済成長を見込んだ計画であったことから、同国の国債が暴落し、これをきっかけにユーロや株価が下落した。この危機的な状況を回避するため、IMFとEUは、ギリシャ政府に対して、増税・年金改革・公務員改革・公共投資削減などの厳しい緊縮財政策や公益事業等の大規模の民営化などを条件として、2回に亘る財政支援を行ってきたが、その一方で景気は大きく落ち込み、国民の生活はさらに苦しくなり、大規模なデモや暴動が度々発生したことはご案内の通りである。

そして、今年2015年1月の総選挙で、最大野党で反緊縮派の急進左派連合(SYRIZA)が、緊縮疲れの国民の支持を受けて勝利し、金融支援の延長を巡り、強気のEUと駆け引きを断行、ギリシャ危機が再燃している訳であるが、53歳から年間13か月(ボーナス支給)の分厚い年金制度や社会主義国にも匹敵する公務員数など、ユーロ圏でも特出した社会主義政策を持つ同国の体質は、そう簡単には改革できそうにないように思われる。

このことから分かることは、もともと統一通貨によるEU(欧州連合)なる発想には無理があり、地理や民族や文化や風習だけでなく、経済規模や統治機構が全く異なる国同士が、統一通貨で連合を組むことなど最初から無理なことなのである。

ところで、このようなことは、グローバル化が進み「人やモノや金」が自由に行き来する国際マーケットに大きく依存する日本などの先進諸国についても言えることで、「市場原理主義」が世界を席巻し地域格差が拡大する中、その流れに対抗して、イスラム過激思想や中華覇権思想の台頭が顕著となっていることは周知の事実である。

このままいけば、大きなグローバル化の潮流に飲み込まれ、破綻はしないまでも拡大し続ける地域不均衡(格差)に甘んじ、経済的な属国と成り下がる危険性は、どこの国でも懸念される訳で、何処の国が勝者になるかと言うことより、「ユダヤやアラブなどの国際金融資本」の傘下に、私達の生活が組み込まれると言ったほうが適切かもしれない。

そんな流れに、グロ-バル化による富の偏在と格差の拡大は、国民生活を不安定にし不安が増大し争いや紛争の原因になっているような気がする訳で、本来、地理や人種や民族、文化や風習、経済規模が大きく異なる私達の経済主体がグローバル化によって国際マーケットに強制的に全面的に組み込まれていくところに、根本的な原因があるように思える。

つまり、グローバル化は国際取引を急速に拡大する一方、富の偏在や地域格差を生じる原因になっている訳で、よくよく考えてみれば、地球の裏側でとれた魚が今日私たちの食卓に上ること自体、「身土不二や地産地消」といった自然界の法則に逆らった生活をしている訳である。高級外車やブランド小物など、ある意味で、私達は平然として「生活を貪り」続けている訳で、その一方で、世界の何処かでは、貧困や疫病で多くの子供が頓死し、利権争いの中に、テロや内戦で尊い命が失われている訳である。

グローバル化によってもたらされる恩恵は数知れず、今やスマホを片手に音楽や写真やゲームに興じ、メールやSNSで世界中の人と交わることができる。世界は極少化し行こうと思えば、地の果てまで、望めば世界中の「ありとあらゆるモノ」を取り寄せることもできるのである。

しかし、その恩恵に浴するには、多くの代償を支払っている訳で、私達はその恩恵に値するモラルを持ち合わせているようにも思えない。

「尊い命」をすり減らし、飽くなき「利益や効率」の追求が、「優しい言葉や微笑に」の代償として、商業化された「癒しや安らぎ、便利や快適」と言った「通わぬ心を埋める所作」にあるとしたら、本当に愚かな営みとしか言いようがない。

ご案内のように、「幸せの青い鳥」は私達の心の中にいる。それなのに、世界中の多くのものを手にしなければ満たされぬ「この想い」とは、語るに値するものなのだろうか。甚だ疑問に思うのである。

しかし、パンドラの箱を開けてしまった私達は、もう二度と元には戻れない。見たこともない世界が目の前に広がっているのである。

そんな訳で、今日も新たな出会いの中に一条の希を託し「永遠なる想い」の意味を考えてみようと思う次第である。

jpjapon について

3匹の犬と優しいけど時々意地悪な元気なおばさんと桃やブドウに囲まれた田舎で暮らしています。音楽と写真が大好きなパソコンフリークです。日々の想いを、聖書の御言葉や御仏の教えを交えて仲間と語り合うのが大好きです。平凡な日常から垣間見る世間の出来事を、自分流に書き綴っていきたいと思います。
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