永遠への憧れとは別に、現実を見つめれば、軽薄短慮にして、その場に楽しみや喜びを見つけて生きる女性の方が一枚も二枚も上手で、生き残る術を持ち合わせている訳で、明治天皇崩御の折に、夫の乃木希典と共に自刀した妻の静子のような生き方は稀である。
多分戦争で二人の息子を亡くしたことも来世に希を託すことにつながったものと思われるが、甚大な戦死者を出してしまった夫の悔恨の極みに連れ添う妻の静子の想いには遺憾し難いものを覚える。
しかし、今日では、そんなことは前時代的なことで、戦死者の責任を取って自刀するようなリーダーもいなければ、そんな夫に連れ添う妻もいない。
そんな時代背景を背に、今の日本は何と女性の約半数が50歳を超える超高齢社会を迎えており、ここ数年で消滅する地方都市も出で来るのではないだろうか。
とにかく、グローバル化やITテクノロジーの進展から、地方都市の経済は崩壊寸前で働きたくても仕事がなく、生活が成り立たない。仕事がなければ、人もいなくなり、社交の場も失われ、楽しみも半減すれば当然にして若い女性もいなくなり、負の連鎖が始まり、そこから抜け出すには容易なことではない。
まあ、私的には大都市との高速交通網の整備やITテクノロジーの活用により、地方都市の新たな役割や価値を見出し、若い女性が豊かな自然環境の中で、楽しく幸せに子育てをしてもらいたいと思うが、それにしても地方都市と大都市の格差は、仕事に限らず、教育や文化、交通インフラの利便性や多種多様なイベントの開催、レジャーから各種サービスまで、歴然とした格差がある。
この流れは時代の趨勢で、当面はどうにもならないが、兎にも角にも私達の将来は生き残りを掛けた若い女性の活動と活躍に掛かっていることは確かである。
「地方都市に若い女性がいなくなる。」そんな現実を打ち破る新たな価値の創造に、若きリーダーの活躍を期待したいと思う。
